あの日のことは、今でもはっきり覚えています。
「副腎皮質機能低下症、いわゆるアジソン病です」——先生の口からその言葉が出た瞬間、頭が真っ白になりました。初めて聞く病名。どんな病気なのか、これからどうなるのか、何も分からなくて。ただ抱っこしていたふわりを、ぎゅっと抱き直したことだけを覚えています。

最初の異変に気づいたのは
診断がつくまでの5ステップ
「なんだか元気がない」
お水を飲む量が減り、ごはんを残すように。「夏バテかな」と、まだ様子見でした
動物病院へ
念のため血液検査をお願いしました
数値の異常が見つかる
先生の表情が変わったのを覚えています
追加のホルモン検査
アジソン病かどうかを調べる、専用の検査でした
「アジソン病です」
聞いたことのない病名。頭が真っ白になりました
最初の異変から診断まで、あっという間でした。
「元気がないだけ」に見えても、血液検査でわかることがあります。
ふわりが「いつもと違うな」と感じ始めたのは、ある夏の日のことでした。
最初に気づいたのは、水を飲む量が減ったこと。
その次に、大好きだったごはんを残すようになりました。
ちょうど暑い時期だったこともあり、「夏バテかな?」と軽く考えていたんです。まだ6歳で、普段は元気いっぱい。ブリーダーさんのもとから1歳で迎えた頃から、病気らしい病気もなく、「何か大きな病気かもしれない」という考えは、正直ほとんど頭に浮かびませんでした。
でも、数日経っても様子は変わりません。
散歩へ行っても歩くペースが遅い。
呼んでも反応が鈍い。
そして、ごはんを食べない日が出てきました。
「疲れているのかな」
「暑さでしんどいのかな」
そう思いながら、一週間ほど様子を見ていたと思います。
ところが、その頃には水もほとんど飲めなくなっていました。
そこでようやく、「これはおかしい」と感じ、かかりつけの病院へ連れて行くことにしたのです。
ふわりがアジソン病と診断されたのは、今から2年前。
今年で、病気と付き合って3年目になります。

血液検査で異常が見つかった
かかりつけの先生に症状を伝えると、血液検査をすることになりました。
体全体の状態を診てもらいながら、「念のため、詳しく調べてみましょう」という流れで検査が進んでいきました。
そして結果が出たとき、先生の表情が少し変わったのを今でも覚えています。
「いくつかの数値が基準から外れています。追加の検査をした方がいいかもしれません」
その言葉を聞いた瞬間、初めて「これは普通の体調不良ではないのかもしれない」と、不安が一気に押し寄せてきました。
特に、ナトリウムとカリウムの比率に異常があること。
そして、副腎の機能を詳しく調べる追加検査が必要だという説明を受けました。
先生の話を聞きながら、私はずっとふわりの顔を見ていました。
ふわりは相変わらず私の腕の中でぐったりしていて、その姿が胸に刺さりました。
この日はかなり脱水していたため、病院で点滴をしてもらい、一度帰宅することになりました。
さらに先生は、「もし家でも水が飲めないようなら」と、自宅で皮下点滴をする方法まで丁寧に教えてくださいました。
背中の皮膚を少し持ち上げて、そこから点滴を入れる方法です。
まさか自分が、自宅で愛犬に点滴をする日が来るなんて――。
不安で頭が真っ白になりながらも、「ふわりを助けなきゃ」という気持ちだけで、必死に先生の説明を聞いていたのを覚えています。
⚠️ 皮下点滴は、必ず先生に教わってから
皮下点滴のやり方・量・回数は、その子の体重や体の状態によって変わります。うちもその日に先生から直接教わりました。ネットの図や記事を見て自己流でやらず、必ずかかりつけの先生に教わってから行ってください。
「アジソン病です」と言われた瞬間
追加の検査を経て、数日後に診断が出ました。「副腎皮質機能低下症、いわゆるアジソン病です」。
正直、その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。聞いたことのない病名。
「どのくらい大変な病気なのか」「完治するのか」「これからどんな生活になるのか」
——何一つ分からなくて。先生が「毎日投薬が必要になります」「定期的な血液検査が必要です」と説明してくださっているのが、どこか遠くの話のように聞こえていました。
動物病院を出て車に乗った瞬間、涙が出てきました。ふわりは助手席のキャリーの中で、くたっとしていました。「ごめんね、もっと早く気づいてあげればよかった」と何度も思いました。
帰って検索したけど、出てこなかった
家に帰ってすぐ、スマホで「犬 アジソン病」と検索しました。
病気の解説ページはいくつか出てきます。でも、「実際にアジソン病の子と一緒に暮らしている飼い主」のリアルな体験談が、ほとんど見つからない。
毎月の通院費はいくらかかるの?
薬はどこで買うの?どんな食事に気をつければいいの?
発作(アジソンクリーゼ)が起きたらどうするの?
——そういうことを知りたかったのに、答えが見つからない。
一晩中検索して、気づいたら朝になっていました。
あのときに感じた「情報がない」という心細さ、「もっとリアルな話を聞きたい」という気持ちが、このブログを始めた一番の理由です。同じ診断を受けた方が検索して「あ、こういうことか」と少し安心できるような場所を作りたくて。
診断から時間が経った今のふわりは
あの日からしばらく経った今、ふわりは毎日お薬を飲みながら元気に過ごしています。

相変わらずわがままで甘えん坊で、ごはんの時間になると一番に飛んでくる。朝、私が起きると真っ先にお腹の上に乗ってくる。そういう「普通の日常」が戻ってきたことが、本当に嬉しかったです。
アジソン病と診断されたとき、「もう普通に生活できないのかな」と思いました。でも、ちゃんとケアを続ければ普通に暮らせる病気です。怖い名前だけど、向き合い方さえ分かれば大丈夫。同じ状況の方に、そのことを伝えたくて書いています。
あの夜、検索しても分からなかったこと。今のうちの答え
診断の夜に「知りたかったのに見つからなかった」ことは、そのあと、ふわりと暮らしながら少しずつ分かってきました。あの夜の自分への答えとして、表にまとめておきます。
| あの夜、知りたかったこと | いまのうちの答え |
|---|---|
| 毎月の通院費はいくら? | ふわりはお薬と通院で、月1万〜1万8,000円ほど。安定している今は通院が月1回、血液検査は2〜3か月に1回です(くわしくはこちら) |
| 薬はどこで買うの? | お薬は2種類。1つは病院で処方(1日100円)、もう1つは取り寄せています(くわしくはこちら) |
| どんな食事に気をつける? | 以前はヒルズを食べていました。尿路結石になってからは、病院で勧められた療法食に切り替えています(くわしくはこちら) |
| 発作(アジソンクリーゼ)が起きたら? | ふわりは2回起きて、症状がまったく違いました。けいれんの時、ふわりがタオルを噛んだのでそのまま噛ませていたら、先生に「タオルは噛み砕いてしまうことがあるので危ないですよ」と言われました(くわしくはこちら) |
診断から3年目の今、気をつけていること
アジソン病と分かってからも、ふわりにはいろいろなことがありました。

ほんとよくわからないのがアジソン病
お水は「多い・少ない」より「いつもと違う」を見ています
アジソン病の説明には「お水をたくさん飲む」とよく書かれています。でも、ふわりが診断の前に最初に見せたのは、反対にお水を飲む量が減ったことでした。
今も、飲まなくなる日もあれば、飲みすぎる日もあります。なので、毎日お水の減り方を見ています。
ふわりの場合、引き金はトリミングでした
ふわりは、花火や雷は平気です。大きな負担になっていたのは、美容室でのカット(トリミング)でした。それからは、バリカンとハサミを買って、私が家でカットしています。
お風呂のあとも体に負担がかかると先生に言われているので、シャンプーの日はいつもより注意してようすを見ています。
2026年は、尿路結石と股関節の脱臼もありました
2026年は、アジソン病のほかにも病気が重なりました。血尿が出て、尿路結石と分かったこと。そして春には、両足の股関節の脱臼で立てなくなったことです。
脱臼は手術が必要と言われましたが、アジソン病のため、手術(麻酔)に持ちこたえられないかもしれないということで、手術はせずにテープで固定しました。固定が取れた今、小走りはできますが、ダッシュはできません。
お薬の影響で、毛がだいぶ抜けた時期もありました。先生がお薬の量を調整してくださって、やっと落ち着いてきて、今は少しずつ毛も生えてきています(アジソン病の記事に写真を載せています)。
持病のある子と暮らすなら|普段から控えておくもの
ふわりの1回目の発作は、夜中に起きました。急にぐったりして、夜間救急で点滴をしてもらい、一晩入院しました。持病のある子は、いつもの病院が開いていない時間に具合が悪くなることもあります。
普段から控えておくと安心なものです。
- かかりつけの病院の電話番号・診療時間・休みの日
- 夜や休みの日に診てもらえる所の電話番号と受付時間
- 病名と、飲んでいるお薬の名前・量
- ふだんのようす(お水・ごはん・おしっこ)の記録
前は、病院でもらったそれぞれの子の手帳や、自分の手帳に書いていました。でも、いざという時は手帳がいくつにも分かれていると慌ててしまうんです。今は、いつも持っているスマホの中に、1つにまとめて記録しています。

記録をしないと、何があったか、わんこたちの状況を病院に報告できないんです
病院で役に立った記録の書き方は「犬の通院記録、何を書けばいい?」に、沖縄で夜や休みの日に診てもらえる所の探し方は「沖縄の動物病院、夜間・休日・救急はどこに電話する?」にまとめています。
🐾 この記事は、ふわりと暮らしてきたうちの記録です。アジソン病の症状やお薬の量、気をつけることは子によって違います。気になることがあれば、必ずかかりつけの先生に相談してください。
次の記事では、毎月の通院費・薬代のリアルな費用を公開しています。





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